上高地は神降地と書かれることもあるらしい。
森を蛇行する冷たい川の向こうに穂高がのぞく光景は、確かに神様が降り立つにふさわしい気がする。
もし、人間がこんなにいっぱいいなければ。
駅前の登山用品やのお兄さんには「もう上高地は零下だからやめた方がいいですよ。」と止められたのだが、思いのほかに賑わっていたよ。
夜明け前は零下二桁だそう。凍った土がとけて道はぬかるんでいた |
おじたんが「そんなにいっぱい歩くのはいやだ!」というので真ん中のかっぱ橋から明神池を回って戻ることにした。
2日前には今きれいだと聞いていたカラマツの黄葉は終わったらしく、林の道にふわふわと降り積もっていた。
わりと平坦な道だけど松葉づえをついた外国の青年とすれ違ったのには驚いたよ。両側に女の子も付いていたので、転んだら今度は彼女たちの肩で運んでもらうのかもしれないな・・・
なめこがにょきにょき!国立公園なので採れません |
ヒラヒラしたキノコ |
コロッとしたキノコ |
このあたりは安曇という地域で、わさび園がある安曇野とはかなり離れている。
松本からくねくねの野麦街道を通って山へ分け入るが、狭くて暗いトンネルも多く、よくも観光バスがすれ違えるものだと感心する。
昔々、朝鮮半島から九州に渡り、戦に敗れ逃げてきた安曇族と呼ばれる人たちが住みついたのだって。元々は海の民だった人たちがこんな山に閉じ込められたような土地を終の棲家に選んだんだね。
穂高神社奥社 ご朱印は500円 |
「あ」の狛犬さん |
明神池。澄んだ水に山と空が写り込んできれいだ。池に入るには入場料300円 |
桟橋の上に祠がある 神秘的 |
一人ずつお参り |
その明神池のそばにある明神荘。
宿泊や食事ができるんだけど今季の営業終了を伝える貼り紙があったよ。
「宿泊は11月3日まで。お食事などは4日まで」
馴染みらしいシニアの団体が「お世話になります!今年も終わりだねえ!」と入ってきて、それを宿の主人が素敵な笑顔で迎えていた。
「いいなあ。きっと今晩はみんなでフェアウェルパーティーみたいなのをやるんだろうね。そんな日に泊ってみたいよね!」とおばたんはワクワクして言ったが、おじたんは「別に・・・」だってさ。
「え~何で何で?冬籠りに入る山小屋の最後の日を過ごすんだよ。あ~、山ガールじゃなくて残念。そういう場には にわか山ガールはふさわしくないよね・・・」と一人で盛り上がったり盛下がったりするおばたんだった。
3時を過ぎると肌寒くなってきた。
橋まで戻って穂高の方を見上げると早い夕日が岩肌に金色の縞を描いている。
11月15日にはシャトルバスも止まって今年の観光シーズンは終わる。
山々に金のベルト |
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