まだふみも見ず 天橋立
歌人として名高い和泉式部が丹後の国へ行った後、娘の小式部ちゃんが歌会に出ることになった。
「きっと歌が詠めへんで困っとるやろ。いっちょ からこうてやろ」
と思った貴族のおっちゃんに
「どないだす?丹後へ行ったお母ちゃんから歌を書いた手紙来はりましたかいな」
と聞かれて、即座に返したのがこの歌だった。
「大江山に行く生野の道ははるかに遠いので、まだ踏んでみたこともありませんし、母からのお文も見たことはありません」
おっちゃんは、ぐうの音も出ず、ましてや返歌もできず「あわわ、あわわ」と逃げたそうな。
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おばたんが子供の時からなんだか魅かれてた歌で、一度は行ってみたい行ってみたいと思っていたそうだ。
今回おばたんは友達と城崎温泉で会うことになり「この機会に!」と予定を組んだらしい。
| 霜月二十日余り六日、武蔵の国を出でぬ |
鉄路で日本海側に行くのはなかなかに大変だ。
おばたんは、数日かけて路線を調べて切符を整えた。
池袋から大阪経由、福知山駅で途中下車し天橋立を往復し、城崎温泉駅に行き、姫路に出て岡山から瀬戸大橋を渡って土讃線経由で阿波池田に降り立つという2泊3日を共にする長大な?切符だ。
| 大阪駅のホーム |
| これに乗って福知山で京都丹後鉄道に乗り換える |
| 丹後鉄道のきっぷは今では珍しい硬い小さい切符 |
大江山の鬼の仕業かもしれない。
ほんとに太平洋側と日本海側では天気がころっと変わるんだ。
鉛色の空にちょっと哀しくなったが、天橋立駅につくと雨が上がった。
「これで歩けるぞ!」
| 天橋立駅 |
| 可愛い電車が止まっていた |
案内所では「橋立部分は2,6キロ。歩くのには1時間はかかるから、船で渡る方がいいですよ」と言われたのだけど、「踏みも見る」ことがおばたんの大事な目的なのでここはゆずれない。
| 松並木の途中で波の音を聞くすぽたん |
舞鶴に住んでいるおばたんの友人は年に何回か天橋立の清掃ボランティアに来ているそうだ。
たくさんの手が加わってか、松も元気でゴミもなく浜辺もきれい。
細長い砂洲の左は波の静かな阿蘇海で右の宮津湾側からはザブンザブンと絶えず波の音がする。
| 宮津湾側 |
天橋立駅側では「文殊堂」という古いお寺を訪ねたよ。
| 山門に大きな提灯 |
| すごく立派な門だね |
| 多宝塔は重文です |
| 室町時代の石仏らしいです 摩耗していますが優しくてあったかいよ |
| 力石 触るとやる気が出る? |
橋立の向こう側では「籠(この)神社」「笠松公園」に行ったよ。
| 籠神社は「元伊勢」と呼ばれているよ 伊勢神社にお祭りされている神様が伊勢へ行く前にここでお祀りされていたからなんだって |
| 狛犬さんがめちゃめちゃすてき!がっちりして脚もふと~い! |
| 縁起 |
| 亀に乗った神様 |
ここへきて初めてイメージ通りの「天橋立」全体像が見えるのだ。
「股のぞき」おばたんとボクもやってみた。
| ころりん!すぽたん、股のぞき中にコケる |
| 股のぞきすると天地が逆になり、天にかかる橋のように見えるんだって |
| 「それっ!」逆にしてみました どうでしょう? |
| 紅葉が真っ赤 |
| 笠松公園は高台なのでリフトで上下 |
| 帰りは舟に乗りました |
滞在時間3時間たらずなので行けなかったところがかなりあるのは、いつものことだけど残念。こうしてボクとおばたんの宿題はたまって行くんだ。
ともあれ急がなくっちゃ!
結局昼抜きで友達と「コウノトリ13号」で合流。
城崎温泉駅に降り立ったのは夕暮れ迫る時刻だったよ
| 灯りのともり始めた城崎温泉駅前 |
| 旅はつづく・・・ |
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