今回は、お勉強に行くんだからすぽたんは連れていけないわ。」
とかなんとか言っておばたんは、ボクを置いて一泊二日で那須へ行った。
あ、おばたんが帰って来たぞ。
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「ただいま、すぽたん。
え?どんなだったか話せって?
いいよ。
那須まではバスで行ったんだけど、なかなか道中も濃かったんだよ~。
先生たちが入れ代わり立ち代わり、工夫を凝らし知恵を絞ったゲームを仕掛けてくるから、車酔いをしている暇も、居眠りをする暇もないの。
途中何度か休憩と昼ご飯を挟んで午後目的地に着いたよ。
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春にはつつじの大群落らしい |
一望閣という温泉ホテルの大広間で歌の練習が始まったの。
大広間というか宴会場というか・・・
ほらほら、おばたんの好きな「温泉若女将の殺人推理??」とかで
岡田まりこと東ちづるが
「大女将の○○でございます」
「若女将の△△でございます」 と挨拶するあの広い部屋ね。
あんなところで歌の練習をしたのよ。
課題曲はサティの「ジュ トゥ ヴ」
土壁と畳に声が吸い込まれていくからとても疲れたけど
ちょっとミスマッチなところが面白かったよ~。
次の日の観光ルートには「殺生石」が入っていたんだけれど、
「臭いから」と危うくカットされるところだったの!
「ええっ?ここは、臭くて不気味なところがいいんだい!」
おばたんと友達が「行きたい!」と騒いだので殺生石観光は実施されたんだけど、15分観光だったからとても忙しかった。 。 ![]() |
しめ縄でまかれてるのが殺生石 その昔中国インド日本を股にかけて妖気と美貌で天下を乱した九尾のキツネ「玉藻御前」の変化した石。その妖気はちょっと昔まで近寄るものの命を奪っていたらしい。今でも立ち入り禁止よ・・・ |
確かにとても硫黄臭かった。
長居はからだに毒かもしれないね。
赤いお帽子を被った小さいお地蔵様がいっぱい、ケイトウの花が咲いているように並んでいたよ。
ゴロゴロの黒っぽい岩の中に赤錆色や硫黄がこびりついた黄色の岩も転がっているの。
大涌谷にしろ、恐山にしろなんかこういう火山っぽいガレ場って地獄を想像させるよね。
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湯の花を採る場所 |
奈良時代に白い鹿に導かれて温泉が発見されたんだって。
古~い温泉なんだねえ、正倉院の文書に当時の貴族が湯治に来たって記録が残ってるんだってよ。
そのあと、那須ステンドグラス美術館というオサレなところへも行ったのよ。
那須の森にコッツウォルズが出現?って感じのところよ。
中には大小3つの礼拝堂があってそれぞれきれいなステンドグラスで飾られていたの。
大きなオルゴールの演奏やパイプオルガンの演奏、マリンバとピアノの演奏が次々にあって、とてもミュージックツアーな感じがして大満足だったよ。
パイプオルガンは2階のオルガンのすぐそばで聞いていたから、演奏者のなめらかですばやい足運びに感心したよ~。
すぽたんを連れてでふらふらと気の向くままに歩き回る旅もいいけど、
友達や、これまであまり交流のなかった人と仲よくなりながらいく旅もいいものよ、すぽたん。
え?お勉強はしたのかって?
したしたしたした、しましたよ~!してるでしょ~!
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と、おばたんはぼくに語った。