2020年、それは旅犬にとっては特に不自由な年であった。「帰省」は、2月1日以来できなかった。
そんなコロナ下でも転勤はある。6月には家族の転居で長野から秋田まで日本海を北上したよ。大好きな長野にお別れするのは悲しかったけど、新しく秋田とのご縁が結ばれたんだ。秋田、遠いけどね。「こまち」は1時間に1本くらいだし、隣り合うホームから「あさま」とか「はくたか」とかこれまで長野へ行くときに乗ってた列車がどんどん出ていくのを見ると乗ってしまいそうだったよ。こまちは空いていて車両にぼくらだけのこともあったよ。盛岡までは2時間、盛岡から秋田までは在来線の線路を走るので1時間半強かかるよ。奥羽山脈を越える線路は雪や水害に弱いみたい、時にはクマに衝突したとかで止まることもあった。
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最初の秋田行きでは、雄物川が氾濫したせいで盛岡で足止めされた。懐かしい開運橋から材木町のあたりをお散歩して、ホームスパンのマフラーを買ったね。久しぶりの盛岡冷麺もおいしかった。夕方やっと走った大曲行きの各停に乗って、なんとか大曲まで行っておじたんに迎えに来てもらったな。
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盛岡市 開運橋 |
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賢治先生もマスクしてる |
秋田駅近くの久保田城址千秋公園。夏は堀の蓮の花が見事に咲いてたよ。
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何代目かの城主の佐竹さん。現知事の御先祖らしい |
やっぱり、秋田に来たら白神山地に行かなくっちゃ!白神山地は秋田と青森の間に広がっている。世界遺産になってる区域には入れないようにしてあるんだけど、柵とかがないところもあって、マタギ道があるんだって。そこは、急峻で危険で普通の人には行けないところらしい。
ボクたちが最初に行ったのは、秋田の内陸側。こちらはあんまり観光地化していない。ちょっと頼りないガイドさんと歩いたよ。
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ブナの森 真ん中の太い樹は樹齢300年くらい
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森のヌシ的な有名なブナの樹。樹齢4~500年だとか。 |
第2次世界大戦の時には、ブナで飛行機を作ろうという計画があって森から出征して行った樹もあったそうだ。伐り出し予定で幹に墨書きされたままになっている木もあったよ。75年分大きくなっている。
次の日には、有名な青池側の森へ。
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こちらはJR五能線とバスで来られるので観光客が多い |
田沢湖。辰子姫の頭の上に失礼なカラスが止まってたね。おばたんは、すごく昔妹おばたんと自転車で湖1周したんだよ。とっても透明度の高いきれいな湖だよね。
楽しみにしていた秋田駒ヶ岳。お天気アプリは快晴とか登山日和!とか言ってるのにずっと霧が巻いてた。人と喋らなくなってる時でもお山では、知らない人同士が「こんにちは!」って声を掛け合ったり、道の情報を伝え合っている。ちょっとほっこりしたよね。
秋田は山も海も湖も温泉も田んぼもある
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遠くに鳥海山がみえる。そのうちご縁が結べるといいな。 |
秋田は、絵本を描いていた時にとってもお世話になった、故高橋宏幸先生の故郷。由利本荘市内にレリーフや壁画がある、と聞いて行ってみたよ。
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トンネルわきの壁にチロヌップのきつねの親子が駆けている |
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学校の体育館の壁一面の絵 |
駒ヶ岳つながりで?木曽駒ヶ岳に。こちらは「今日だけ雨です!」と地元の人に言われてた。天を仰ぎ地に伏し拝み時々晴れてもらった!!
人ごみを避けて散歩を!ということで今年はお山によくでかけたなぁ。県内、飯能市を基点に登れる素敵なお山もたくさんあるの。詳しいお友達に案内してもらったよ。
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向こうに武甲山がみえる |
12月。日本海側はかつてない大雪。秋田市内の雪は片付けられていたが山はどうかなあ。「一本道で止まっちゃうと大変なことになるからなあ。」「ちょっとでも危険を感じたら即やめて引き返そうね」と約束してでかけた「秘湯後生掛温泉」幸いこの冬初めてという快晴の1日。雪にうもれた秘湯を堪能できたんだ。
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雪だ! |
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谷間にもうもうと温泉の湯気! |
八幡平に抱かれた秘湯群があるところなんだけど、やっぱりコロナの影響で廃業するところが出ているようす。早く穏やかな日々が戻ってきてほしいな。
さて、これがボクとおばたんの2020年最後の旅かな・・・と思っていたんだけど「年末年始は家族で自宅で!」いなきゃだめ?ってことで秋田から自宅まで車で帰ってくることになっちゃった。「運転は交替で」と言うおじたん。命知らずだな。スーパーペーパードライバーのおばたんに高速を走らすんですかい?って思ったけど、最近の車さんはえらいね。ほとんど自動運転と言ってもいいような性能で、何とか今年最後の長旅を終えられたよ。
来年は、ぼくたち、どんな旅ができるのかな。